何処かの中の森の中に、白色の羽に真ん中に黒が一点ある小さな蝶が住んでいました。
名前はアイチ、年頃の彼女はそろそろ繁殖期に入ることもあり、そわそわとしていたのです。

「もうすぐ、僕も結婚するのか・・大人の仲間入りだね」
子供を作ると言うことは大人の証。
パタパタと平凡な色の翅を動かしながら、こじんまりとした木の幹の中にある家の中で
どんな人と子作りするのか、今から楽しみである。

「あっ・・でも、僕なんかと・・・繁殖行為してくれるかな・・・」
オスは子供を沢山生んでくれそうなメスを求めるというけど、アイチは飛ぶ力もほとんどなくて
いつも競争でビリになってばかり、蜜探しも下手で、いいところなんて何もない。

なんだか考えているうちに自己嫌悪をしているとドアが数回ノックされた。
時間を確認すると夜の9時、こんな時間に来るのは一人しかない。

アイチは特に警戒することなく、扉を開ける。



「こんばんわ、櫂君」
「・・・・ああ」


黒いタートルネックにズボンという、上から下まで黒い服を着た同世代のメスの蝶達で
繁殖のパートナーにしたいオス・一番人気の友人の櫂だ。

櫂用の白いマグカップにに蜂蜜入り紅茶を淹れて、いつも通りです。
他愛もない話を少しした後、買っておいたラベンダーの花を櫂は見て、目細める。

「そうか、もうすぐなのか・・」
「うん、明日には・・・玄関に飾ろうかと思って・・」

恥ずかしそうに照れるアイチ、ラベンダーの花を玄関に飾っておくということは繁殖期に入った証。
メスがいることをオスに伝える行為という、昔から続く伝統だ。

「僕、ちゃんと子育てできるかな?あぁっ、でもその前に相手が現れてくれるかどうか。
櫂君はきっと問題ないよ。入ったおうちの女の子に即OK出してもらえるから」

昔からとてもカッコよくて、女の子達の憧れだった櫂。
何があったのか、急に性格も変わって夜にしか会えなくなってしまったけどアイチは夜の楽しみができてとても嬉しい。

「・・・・・」
早く明日にならないかと、胸をときめかせているアイチとは逆に何処か薄暗い瞳の色でアイチを見つめていた。






エミと買った一番可愛い服を着て、誰かがアイチの部屋をノックしないかと椅子に座って相手を待つ。
だがメスの方にもオスを選ぶ権利がある、気に入らない相手の場合は断っても構わないと
アイチは断ってしまったら、最後かもしれないという恐怖感から、アイチを選んでくれるのなら誰でも構わないということを

選択してしまったようだ。

「誰かこないかなぁvv」
そわそわと待っているが、なかなかドアをノックしてくれない。
ラベンダーはちゃんと見やすい位置に置いてあったただろうか?何度か外に出て位置をチェック。

見やすい位置なのは間違いない、何度も確認をしたし大丈夫。



待ち疲れたのか、アイチは椅子の上でうたた寝をしていた。
その間に日も暮れ始めていたが、ようやくアイチの家の周辺にオスが姿を現すが・・。


「あそこの家は小さなメスの蝶一匹いるらしいぜ」
「最後にヤッて帰るか」
「一晩楽しむっていうのも、あるしな」

タチの悪そうな男の蝶達が数人、アイチの家を目指して飛んでいた。
年頃の繁殖期の娘の家に入り込んでは、強姦して、無理矢理孕すほど犯してあとは放り投げるという無責任なことを繰り返していた。

本来、オスはメスを身籠らせれば責任を取る形で、子供が大きくなるまでメスと共に面倒をしなければならないのに
彼らはそれを放棄し、メスを犯すことだけを目的に繁殖期を狙って動いている。

あと少しで、アイチの家だと言うところで、体に何かが絡みついた。
それは後ろを飛んでいた仲間の二匹の蝶にも同じく。

「なんだこりゃっ・・・くそっ・・・!!・・・」

身体に何が鋭いものが通過した感覚がした。
妙な感覚だと、思ったのは数秒後で、次の瞬間・・・彼らの身体は細切れになって崩されて

ただの肉片となった。

木の上には、枝に腰掛ける一人の男の足が見えたがすぐに葉の中に姿を消す。



「アイチ」
「・・・むにゃ・・・かっ・・・櫂君!」

気付けば時刻は夜になっていて、月があんなに高く昇っていた。
寝ている間にオスが来ていたかもしれないと考えるとなんで眠ってしまったのかと後悔していると櫂が手差し伸べてくる。

「一緒に来てほしいところがある」
「えっ?」

櫂に手を差し伸ばされて、つい手を出してしまった。
だって彼は大人になって初めて笑っていたから、そちらにばかり気を取られていた。

(でも・・笑ってはいたけど)
楽しいことがあった時の様な笑みとは違うような、アイチも見たことのない笑い方。
でも櫂がアイチに妙なことをするはずがないと根拠もなく
夜には危険な生物もいて外に出てはいけないという母の教えを破って

櫂と二人、夜の道を進んでいく。


「・・・この辺、来たことないけど変な生き物とは出ててきたらどうしよう」
アイチのような蝶を食べる生き物だって中にはいる、出会ってしまったらどうしようと怯えているが
先頭を歩く櫂は「この辺りは俺の縄張りだから、俺が傍にいる限りは誰も手を出してこない」と

わけのわからないことを言っている。

やがて、一番高い木の上にまでつくとそこで話があるというのだ。
何かあったのだろうと、櫂が口を開こうとした時。


「貴様、ようやく見つけたぞ!」


「・・・・」
「何?」

現れたのは、さっきアイチの家に行こうとしていた蝶の一匹。
後ろには仲間らしい蝶を引き連れて、空から櫂達を見下ろしている。

「邪魔だ、あとにしろ」
「よくも仲間を殺してくれたな、今すぐあの世に送ってやる!」

武器を手に、一斉に櫂に向かっていく。
今まで散々なことをしておいて、よく言うなと櫂は目を細める、あの時全員始末したはずが一匹逃していたなんてとんだ失態だ。

「邪魔だと、言ったはずだ」

目を細めた櫂は、今までアイチも見たことがないくらいに薄暗い翡翠の色をしている。
まるで淀んだ池の中から獲物を狙っているかのような目をすると、手を前に出して軽く、指を動かすと

白い糸のようなものが男に絡みつくと、鋭い糸の様にピンッと張りつめると
あっという間に男達の身体は切り刻まれて、真下へと落ちていく。


「・・・なっ・・・なんで・・・」
「俺とアイチの時間を邪魔したからだ、別にあんな奴ら死んで悲しむのもいないだろう・・・それよりも」

自然とアイチの身体は後ろへと下がっていく、本能が櫂は危険だと告げている。
もしかしたらアイチもあんな風に切り刻まれてしまうかもと、想像した瞬間に枝から足が離れて、翅を広げて空へと逃げた。

「無駄だ」

しゅるっと、足首に糸が巻かれて真っ先様に落ちていく。
このまま死んでしまうのかもし覚悟したが、衝撃はなく・・・ただ蜘蛛の糸の上にアイチはいた。

「・・・櫂君・・君・・・蝶じゃないの?」
よく考えてみると櫂が飛んでいるところなんて、一度もなければ翅も見たことがない。
小さい頃から一緒に遊んでいるから、同じ蝶だと勝手に思い込んでいたが彼は・・・・。

「俺は蜘蛛だ、お前達を餌にして喰らう側の生き物だ」
だから糸を操り、蝶も簡単に殺せる。
蜘蛛は蝶にもっとも恐れられている生き物で、その残虐性にいつもアイチは話を聞いただけで震えていた。

「ぼっ・・・僕も食べるの?」
「確かに、食べるな。だがな・・・俺はずっと待っていた」


アイチが子供を宿せる大人の蝶になるのを。
だからオスの蝶が少しでも近づいたら、殺していた、本人はモテないと勘違いしていたがそうではなかった。

櫂が近づくオスを片っ端から殺していたのだ。


「そんなっ・・・櫂君っ・・・・」
逃げようにも足首に糸が絡みついて離れない、その間に櫂はアイチに近づいていくと
しゃがみこむと震える小さな身体の、まずは顎に触れるとキスをする。

「んっ・・・!」
そのまま蜘蛛の巣の上に横にさせると翅が糸にくっついて離れてくれない。
これでは飛んで逃げることができないとパニックになっていたアイチに、さらに櫂はアイチの胸のボタンを外しにかかる。

「やっ・・ヤダ!」
「アイチ、お前は此処で俺のモノになるんだ。そして・・・俺の子供を身籠るんだ」

ぐにゅっと小さな胸を力強く揉まれて、小さな悲鳴を上げる。
激しい舌を入れたキスをしつつ、櫂の手には余ってしまうほとの小さな胸をしきりに揉みながら、アイチに躊躇させていく。

「小さい胸だな、安心しろアイチ。俺がいやらしくて、元気な子供を育てられる大きさにしてやるよ」
「はっ・・・はぁっ・・・・・・だっ・・・んっ・・・!」
次第に逃げることを考えられなくなっていくアイチ。
蜘蛛である櫂とこんなことしてはいけないのにとわかっていても身動きもとれず、ただ櫂の愛撫に翻弄されていく。

「待って・・・ソコは!」
「お前の蜜の味、味あわせてもらうぞ」

止める間もなく、櫂はアイチの秘部に顔を埋めていく。
繁殖期になり、オスを受け入れやすいようになっていたため少しの愛撫でも異常なまでに感じてしまい

意志とは無関係にアイチの蜜は流れ出ていて、櫂は美味しそうにそれを舐めていく。
真っ赤になりながら、涙を流しつつ耐えるアイチに、櫂は背筋がゾクリとしていた。

「はぁっ・・アァッ!!」
大きくアイチの身体が揺れると、とろりとした液が蜜壺から溢れでて
みせつけるように手で絡めてアイチの目の前で舌を出して舐めると、面白いくらいに頬を染める。

そんな姿を見せられては、もう我慢ができなかった。
ズボンを下すとアイチの痴態で興奮して剃り上がっているペニスを見せるとアイチは真っ青になる。

「ダメ・・・それだけはっ・・・・櫂君、お願い!」
「何を今更、子供が欲しかったんだろう。俺も欲しかったんだ・・・・・・・・・・・・」


アイチと、その間の子供達が。



がっちりと腰を掴むと、思いっきり奥へと突き刺していく。
大してならしてもいないのに、処女にも関わらずあっさりと櫂を受け入れていく、繁殖期というは本当に便利だ。

「ャっ・・・やだッ・・・こんなっ・・・はぁっ・・・・ぁんっ・・」
「そんなこと考えられないくらいに、抱いてやるっ・・」

興奮した声で、櫂はアイチの中にペニスを抜き差していく。
一度浅く引いたと思ったら、強く奥へと差し入れるたびに、アイチから甘い声が出る。

「ああんっ・・・ヤッ・・・はぁっん!」
アイチの身体が、櫂の動きに耐えられなくなったのはイってしまう。
もっと虐めたくなるくらいに小さく震えている、構わず櫂はアイチのナカで乱暴に動き回っている。

次第に大きくなっていく櫂のペニスに、二回もイってしまって息も絶え絶えだったアイチが慌て始める。
ナカで出されたりしたら確実に、櫂の・・・蜘蛛の子を身籠ってしまう。

「やめっ・・お願いっ・・・・!」
「俺は最初から、お前に俺の子供を産んでもらうつもりだったさ」


アイチならきっと、元気な子供を沢山産んで入れる。
その間は交尾はできないが、産んだ後にまた交尾をすればいい。

そう、櫂はアイチに一度だけではなく、何度も孕ませる気でいる。
まるで逃れられない蟻地獄にアイチは落された絶望に、身体が震えていた。


「沢山産んでくれるように、俺の種・・・沢山注いでやるからな・・・・・!」
底知らぬ闇を胸に抱えて櫂は笑う、櫂の張り巡らせた罠の中、腰を掴まれ、アイチの中で櫂は射精をする。

「はぁっ・・・あつぃ!!ヤッ・・・焼けちゃっ・・・アアアッ!!」
一気に中に溢れる櫂の雄液、宣言通りに本当に一回イッただけなのかというぐいらいの量の精液に
翻弄されるように可哀相なほどにアイチの身体は脈打つ、一滴も零さぬように櫂のペニスは挿入されたまま

お腹が少し膨らんだところで、ようやく終わった。


「アイチ・・・」
目を閉じて、あまりの激しい性行に気を失っているアイチ。
顔には涙の痕と、櫂の所有の証である赤い痕が体につけられ、足の付け根には櫂の受け止めきれなかった櫂の精液。

(アイチは、やっと俺のモノになったんだ・・・)
歪んだ歓喜が櫂の心を満たす、身も心も櫂の色に染め上げた今のアイチの姿に興奮して
気を失ったまま抱いてしまいそうにもなったが、反応のないアイチを抱いてもつまらないとペニスを抜くと

近くにある温めの湧水が出ている場所へと降りる。
タオルを軽く湿らせて、アイチの汚れを拭き取り、着ていた衣服は全て捨てると

用意していた黒いレースのワンピースへと着替えさせる。


「俺はな、アイチ・・・自分はずっと蝶だと思っていたんだ」
蜘蛛とはいえ、幼い頃はそれほど力もなく身を守るために、弱い蝶のフリをして
彼らの中に紛れこんでいて、櫂自身は自分は蝶でいずれはアイチと結婚するのだと思っていた。

だが、自分にはアイチのような翅は生えてはこなかった。
一足先に大人になって自分は蝶ではなく、天敵である蜘蛛であると知った時、櫂は絶望した。

「なんで同じ蝶に生まれなかったんだろうとも、出生を呪ったが同時に納得もした」

アイチを食べたくて、犯したくて仕方がなかった気持ちは蜘蛛の性だったのだと。
夜ならば、背中に羽が見えなくても誰も疑わない、誰も、アイチも。



早く、早くアイチが子供を産める年齢の女性になるのを毎日楽しみにしていた。
櫂が一番にアイチを食べ、子供を産ませること、アイチなら良い母親になれるのは間違いない。

沢山の櫂の子供をアイチに孕ませる、背筋がゾクリとする。
これから毎日アイチの中に好きなだけ雄液を出して、その体の全てに櫂を刻ませて、喘ぎ声を絶え間なくて出させる。



「あぁ、楽しみだアイチ。早く目を覚ましてくれ」
櫂の腕の中で、己の未来がもう定まり
逃げることができないと悟ったのか苦しそうに眠るアイチの髪を櫂は愛おしそうに撫でていた。













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